裁判員裁判の裁判員に選ばれました

こんにちは!岡山のサラリーマンブロガー、まちっくです。

もう2年ほど経過しているのですが、裁判員に選ばれて裁判に参加してきましたので、今日はその時経験したことを書きます。今年の候補者名簿に載ってしまって毎日ドキドキして過ごしている人もいると思いますが、実際の裁判員ってこんな感じなのかーっていうのが伝われば良いかなと思います。

裁判員に選ばれるまでの流れ

ではまず、裁判員に選ばれるまでの流れを書いていきます。裁判員になるまでには3つのステップがあります。

STEP1 名簿記載通知が届く

  • 11月頃に翌年の裁判員候補者名簿に登録された、という通知書が届きました。
  • この時点では「名簿に載った」というだけなので、なにもする必要はありません。呼ぶかもしれないからよろしくね、ぐらいの心構えをさせるためのものです。ちなみに名簿に載る確率は、2018年の場合で1/461(0.22%)です。
  • 名簿に載るとこの通知がくるので、年越しまでにこの通知が来てない人は、原則として翌年1年間は裁判員として呼ばれることはない、ということになります。
  • この候補者選びはパソコンでランダムに選んでいるので、毎年連続で選ばれることも有り得ると裁判所の方が言っていました。ただ、1回裁判員(補充裁判員を含む)をやった人は5年間は拒否権がありますので、毎年選ばれたから毎年参加しないといけないわけではありません。

STEP2 選任手続期日のお知らせと質問票が届く

選任手続期日のお知らせ

  • 実際に裁判員の候補者に選ばれた人は、裁判の数週間前に選任手続期日のお知らせがきます。
  • この時点でもまだ裁判員になったわけではなく、いついつに抽選会やるから来てね、という内容が書いてあります。
  • 同封されている質問票は必要事項を記載して返送する必要があります。介護で手が離せない、妊娠中であるなどの理由で辞退したい場合はここで申告して認められれば辞退できます。

※ 裁判員は国民の義務なのでよほどのことがない限り参加しないといけません。正当な理由なくこの抽選会に行かなかったら10万円以下の罰金刑になることがありますので注意が必要です。

STEP3 くじに当たれば裁判員に決定!

くじ引き

  • 選任手続期日という名の抽選会では、6人の裁判員と、必要に応じて補充裁判員が最大6人まで選ばれます。
  • 僕が当日会場に行くと、席に事件の内容を簡単に書いた紙がおいてありました。今回の事件は殺人未遂事件でした。裁判長の司会で今回の裁判に関わる弁護士や検察官の紹介と事件の説明があり、裁判員候補者の中で今回の事件との利害関係がある人がいないか,事件の説明を受けて辞退したい人はいないかなどを質問票に書きます。
  • その後、裁判長が質問票を基に数人を別室に呼んで個別に面談し、いよいよ抽選開始です。抽選発表までに30分~1時間くらい時間が開くので、その間 希望者には裁判所ツアーが開かれ、法廷などが見学できました。(写真は自由に撮っていいけどSNSとかにはあげないでねって言われましたので、法廷内の写真は載せません)
  • 抽選はパソコンでランダムに行われているらしく、抽選の様子は全くわかりません。ホワイトボードに選ばれた人の番号が書き出されるだけです。僕の時は63人が呼び出されて、6人の裁判員と3人の補充裁判員が選ばれました。僕は6人の裁判員の1人に選ばれ、6日間裁判に参加することになりました。(ちなみに実際に裁判員に選ばれる確率は岡山の場合は 1/5000~1/5500程度(約0.02%)ですが、僕は割とくじ運が良いため、9/63なら当たるだろうな~という予感はしていました。)
  • 選ばれた9人は別室に連れて行かれ、そこで机においてある誓約書を声を出して読み上げます。内容はよく覚えてないんですが、「私は誠実に裁判員の仕事を頑張ります」みたいな内容だったと思います。
  • 最後に裁判中のスケジュールとか裏口からの通勤経路とかセキュリティ解除方法とかの説明を受けて、この日は解放です。次回から いよいよ裁判員としての公務が始まります。

いざ、裁判開始!裁判員になってからやること

裁判官の仕事も大きく3つのステップに分かれています。

STEP1 審理

裁判官と一緒に刑事裁判の審理に出席します。審理とは、いわゆる一般的にイメージする裁判です。

裁判での仕事内容はひたすら検察、弁護士、証人、被告人の話を聞き、メモを取ります。ドラマであるような、「異議あり!」みたいな熱いやりとりはありませんでした。淡々と証拠と証言が説明されていく感じです。

STEP2 評議

審理で見聞きしたたくさんの情報を整理して、裁判官と裁判員で議論し、事件の事実はどういうことなのかを考えていきます。

いろんな人が、記憶を辿ったり、いろんな思惑をもって証言をするので整合性が取れないことがたくさん出てきます。仲間を守るためのウソも混じっていると感じました。そのたくさんの情報から客観的事実だけを拾い出し、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に則り事件の事実を認定し、有罪・無罪の判断と量刑(刑の重さ。懲役何年にするかなど)を決定します。

量刑の決定には、はっきりとした基準はなく、過去の判例となんとなくの感覚で投票して多数決で決定します。このとき補充裁判員は投票権はありません。素人裁判員の感覚による投票で被告人の人生が左右されるなんて、案外大ざっぱなんだなと思いましたが、1人以上の裁判官の同意がないと評決しないという決まりがあるため、裁判員のせいでおかしな判決になった、ということにはならない仕組みになっています。今回は裁判官3人と裁判員6人、合計9人で多数決を取り、量刑を決定しました。

補充裁判員の方々はこの時点で職務を全うされていますので、最終日の判決には参加しなくてもいいと言われていました。来るなということではないんですが、出席したくない人は来る必要はないとのことで、「ここまで関わったのだから最後まで見たい」という方が2人、「早く仕事に戻りたいので出席しない」という方が1人、ということになりました。

STEP3 判決

評議で決めた判決内容を、裁判長が被告人に伝えます。よくテレビで見る「主文、被告人○○は有罪。懲役○年に処す」ってやつです。

ここで読まれる判決文には、なぜその判決にすると判断したかの説明がびっしり書かれているんですが、その文面は前日の評議でみんなで作成・添削し、おかしなところがないか、紛らわしい言い方がないかなどをしっかりと確認して作り上げたものです。全文を言い渡すのに3分~5分ぐらいはかかっていたと思います。

裁判員の任務は、この判決宣言をもって終了となります。

「評議の秘密や裁判員の職務上知り得た秘密を漏らしてはいけない」という守秘義務があるのでざっくりと書いてきましたが、裁判員の仕事はイメージしてもらえたでしょうか?

その他、今回の裁判員生活について

裁判員制度

  • 6日間の公務といっても毎日裁判があるわけではなく、途中で会社にも行き、土日も挟むので丸々2週間かかりました。かなり自分の仕事には支障があります。
  • 職務時間中は建物の外には出れず、トイレやタバコにいくときも必ず職員が1名ついてくるので、軟禁状態でした。裁判関係者との接触によるトラブルを防ぐために仕方のないことですが、リラックスできないので疲れました。(今回は特別に警戒が必要な事件だからと言われていたので、通常の裁判員はこんなことはないのかもしれません)
  • 裁判員や補充裁判員同士の呼び名は番号でした。裁判員は「1番さん」。補充裁判員は「補充の1番さん」のように呼び合っていました。
  • 拘束時間は朝9時に集合して夕方5時すぎに解散というスケジュール。これはさすが裁判所、キチッとしてるなと思いましたが、毎回ほぼ同じ時間に終わりました。どんなに白熱した議論をしていても時間が延びることはありません。僕が裁判に参加したのは夏なんですが、夕方5時になると建物全体のエアコンの電源が落ちるように設定されていて、5時10分ごろには暑くてたまらない状態になっていました。絶対に早く帰るしかないってことですね。
  • 経費削減のため、昼休みも職員のデスク部屋の照明が強制的に消されていました。職員は真っ暗な部屋でお昼休みを過ごされていて、裁判所の方も「公務員も大変なんですよ~」って言っていました。

やってみた感想

裁判員は公務のため、1日あたり1万円以内の日当・交通費が支払われます。僕の場合選任手続期日も含めると7日間だったので、大体6~7万円ぐらいが後日振り込まれました。給料とは別に臨時ボーナスとして貰えるわけですから、かなり嬉しかったのを覚えています。

一番大変だったのは本来の自分の仕事に戻ってからですね。。。なんせほぼ2週間留守にしていたので仕事が溜まりまくっていましたし、上司や周りのみんなにかなり負担をかけてしまいました。それでも特別休暇をくれて、残業を強要されることもなく、「おかえり~」「大変だったね~」といって迎えてくれた職場のみんなには本当に感謝です。自分はいい会社にいるなって再確認できました^^

(会社によっては日当分を給料から減らされたり、特別休暇ではなく有給休暇を消化しないといけない場合があるみたいです)

普通のサラリーマンの人生の中で、司法に関わることなんてまず無いことです。とても貴重な体験ができてよかったと思います。自分の発言や判断によって被告人やその家族の人生が左右されるので、いいかげんな気持ちではやれませんが、一人に精神的な負荷が掛かりすぎないように配慮されていますし、裁判所のみなさんもサポートしてくださるので気構えすぎる必要は無いと思います。みなさんも選ばれたら嫌がらずにやってほしいと思います。僕も、もしまた選ばれたらやりたいです。会社が許してくれたらですけど。

裁判員バッジ

裁判員・補充裁判員がもらえるピンバッジ

裁判員バッジ裏

裏にシリアルナンバー入り

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